夏用マスク、冷感マスクが人気です。換気の悪い屋内で不特定多数が集まる場合を除いて、気温が高く感染者もほとんどいないこの時期、屋外でマスクをすることにどれほどの意味があるのかと思ってしまいますが、みな安心感を得たいのだろうと推察します。人間の行動には安心感が重要なファクターになるのですね。
さて今回は、1か月あるいは2か月以上も空白があった受験生はこれから来年の入試に向けてどうすべきなのか、という話です。
学校や予備校の授業が再開した現在、もう休校や休講は過去のことと思っている人もいるかもしれません。これから頑張ればいい、と。でも、実質10か月の受験勉強期間の15%から20%が失われたと考えればどうでしょう。最大20%のマイナスを取り返すには、勉強効率や定着率を25%上積みしなければなりません。今の勉強は上積みができているでしょうか。
これまでと同じく、授業を聞いて、ノートをとって、復習して。これまでと同じやり方、同じペースで勉強していませんか。
勉強の時間配分を見直そう
では、25%上積みするにはどうすればいいのでしょうか。その日に受けた授業の復習に使った時間、それ以外の勉強に使った時間を1日ごとに1週間分チェックしましょう。もちろん科目別に、です。その後直近の模擬テスト、復習テストを分析して勉強の時間配分が妥当かどうか確認します。そしてもし勉強に偏りがあったら、次の1週間の予定を変えましょう。毎週毎週、チェック→分析→改善を繰り返すのです。
人はついつい自分がすべきことではなく、自分がしたいことを優先してしまいます。人間は感情で動く生き物なので、それは当然のことなのです。大切なのは自分の行動を客観視すること。自分の行動を定期的に振り返り、課題を見つけて修正していくことが大切なのです。行き当たりばったりに自分がしたい勉強だけをしていてはいけません。
勉強の穴をふさごう
次にすべきなのは「穴を見つけてふさぐ」ことです。苦手科目のことではありません。苦手科目は自分でも分かっているはずですから、改めてチェックする必要はありません。苦手科目を避けることなく勉強スケジュールの中にきちんと組み込めばいいのです。問題なのは「自分では分かっているつもりでもしっかり定着していない領域、単元」つまり「分かったつもり、できているつもりになってはいるが、実は身についていない、見えない穴」です。
初歩的なミスを犯したり基本的な問題を間違えたりした時、「ああそうそう、そうだった」と納得して終わってしまうことが多い人は、この「見えない穴」がたくさんあるといえるでしょう。ケアレスミスが多いと言われる、あるいは自覚している人は要注意です。ケアレスミスという言葉で片づけてしまってはいけません。ケアレスミスは実力が身についていないから犯すのです。
この2つを8月の終わりまでに徹底してください。そうでないと秋・冬が大変なことになります。
一人ではできない?そうかもしれません。一人でできれば苦労はしませんし、できない人が大半かもしれません。通っている塾や予備校に相談してみましょう。そういう相談には乗ってくれない?何のためにそこに通っているのでしょうか。
次回は、入試を行う大学の側から来年の入試を考えてみます。
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